時刻23時50分。

やっぱりアズマはまだ帰らず。

レイカさん、書類の作成手伝ってって言ってたもんな……

アズマには悪いけど、明日は学校だし、バイトもあるし、ちゃんと寝て体力回復させておかなきゃ。


「ちゃんと帰ってきますように……!」


“嫌いになったとか、そういうんじゃなかったんだけれど”


レイカさんのあの一言がどうしても突っ掛かる。

あたしはベッドに潜り込み、布団を顔まで被って瞳をぎゅっと閉じた。

大丈夫。
アズマは裏切ったりしない。

大丈夫。
それはちゃんとわかってる。


“本気だから。本気でお前のこと好きだから。だから、そんな顔するな”


アズマ……