あたし達は食事を終え、会計を済ませてカフェを後にした。


「お幸せに~!」


と言いながらいつまでも手を振るおじさんに二人して苦笑し、お腹を擦りながらゆっくりと歩く。

アズマのさっきの悪態の理由、わかった気がする。

きっと“照れ隠し”だ。

あたしも流石に、これには恥ずかしいと思ってしまった。


「おい、これからどうするんだ?」

「一旦家に帰ろうかなって。学校休んであんまりウロウロしててもアレだし」

「じゃあ、俺とデートするか?」

「アズマお仕事でしょ?ダメよ、そんなの」

「サボりのセツナに言われても説得力ない」

「うぐぐ……今日だけだもん」

「んじゃ、俺も今日だけってことで。それに、俺はサボりじゃねぇし」

「え?どういうこと?」

「午後から営業回りなんだ。お前は助手席に座っていてくれるだけでいい」

「バ、バレたら大ごとになるんじゃ……」

「その時はその時だ。それに、上手くやる自信あるから大丈夫」

「うー……仕方ない。今日だけだからね」