暫くして、おじさんが大盛りのカレーを二皿運んできた。
「それでは、ごゆっくり~」
あたし達の雰囲気の違いにおじさんも気が付いたのか、妙に嬉しそうにニコニコしていた。
それを見て、アズマは「けっ!」とかなんとか悪態をついていた。
そんな不機嫌にならなくったっていいじゃないの。
「やる」
ムー、と眉間に皺を寄せていたら、突如ポイポイと自分のお皿のニンジンをあたしのお皿に移し出すアズマ。
「え、もしかしてニンジン食べられないの?」
「べ、別に。今日はニンジンって気分じゃなかったってだけだ」
「ぷぷぷ。何それ。言い訳下手すぎよ、アズマ。だってこの前作ってくれたカレーにもニンジン入ってなかったじゃない」
「ヤロウ。ズル休みしたって学校にバラしちまうぞ」
「ごめんなさい。アズマ様」
また一つ、キミの新しい顔を見付けた。
これからも、たくさん見付けられるかな?
アズマも、あたしの新しい顔をたくさん見付けてくれるのかな。
