「お、いたいた」


メールの返事を打とうとしていたら、アズマが会社から出て来てくれた。

いつもキチっと剃っている髭が少しだけ伸びている。

お仕事、大変だったんだ。


「ごめんね。来ちゃった」

「バーカ。ただでさえ追いつけてない勉強、更に周りと差が広がんぞ?」

「寂しかったんだもん。それに、勉強はアズマがどうにかしてくれるでしょ?」

「ちっ。仕方がねぇヤツだな……可愛いから許してやるけど」


そう言ってガシっと首に腕を回すアズマ。

久々に貴方の体温を感じられて、嬉しい。

会社の目の前だと気付いたのか、すぐに解かれてしまったけど。


「メシ、食いに行くか?」

「うん。お腹空いちゃった」


向かうのは、勿論あの場所。





「お、いらっしゃ~い!アズマにセツナちゃん!」

「お久し振りです、おじさん!いつものお願いします!」

「あいよー!アズマもいつものでいいのかい?」

「俺も今日はセツナと同じものでいい」

「オーケー!仲良しだねぇ」

「うるせぇ」


久し振りと言っても数日来なかっただけだけど。

アズマと付き合ってから来るのは初めてだ。