――結局、その晩アズマは帰ってこなかった。
あたしは、泣き疲れていつの間にか眠ってしまっていた。
翌朝、目覚まし時計のけたたましいベルの音が強制的にあたしを夢の中から引きずり出す。
泣きすぎて腫れた重たい瞼を開けると、携帯の受信ランプが点滅していることに気が付く。
赤い受信ランプはアズマ専用だった。
「アズマ……!」
ベッドから転がり落ちるようにして抜け出して、すぐにメールを確認する。
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3月3日 1:56
【From】アズマ
【Sub】ごめんな!
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仕事が長引いて
今日は会社に泊まる。
連絡が遅くなって
ごめんな!
温かくして寝ろよ。
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昨日あれだけ泣いたのに、安堵からなのか再度大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちる。
ほんと、遅いよ!
もっと早く連絡しなさいよね!
