リーン、ゴーン。
放課後を告げる鐘が校内にこだまする。
今日は補習も呼び出しも何もない!これから部活だ!
あたしは鼻歌なんか口ずさみながら、ラケットバッグを背負った。
「おい、谷口」
「え、あ、はい……?」
山本だった。
まさか、また補習じゃ!?
一気にテンションがガタ落ちする。
「お前、今日の小テスト前回よりも20点も点数上がってたぞ」
「うぅ、ごめんんさい……次回から頑張りま――って、え?」
「次も頑張れよ」
「あ、は、はいっ」
嘘でしょ?
珍しく……と、言うか初めて山本に褒められた。
そういえば、今日はすんなりと頭の中に授業の内容が入ってきた気がする。
恋って、こういうことにも機能するのね……!
