「おはよう」


気付けば朝になっていた。

ベッドの中にはあたしと、アズマ。

ベッドの下には、二人分の脱ぎ捨てられた衣服。

昨日……一体何がどうしたんだっけ……

記憶を丁寧に、忠実に辿っていく。

そして、徐々にあたしの頬は紅に染まっていった。


「お……おはようございます」

「何今更赤くなってんだよ」


あたしは毛布に包まるようにして、床の上に放られていた下着を身に着け、制服に腕を通す。

対するアズマは堂々と裸のまま立ち上がり、下着に足を通した。

時計を眺めるとまだ朝の6時だった。


「アズマ、何時から出勤?」

「8時」

「じゃあ、あたしと同じ時間だね。朝食用意しようか」

「おっ、気が利くじゃん。ちょうど腹減ったって言おうとしたとこ」

「えへへ。じゃあ腕を振るって作るからね!」


あたしはキッチンでお湯を沸かし、それをカップ麺へと注ぐ。


「……」

「やっぱり、朝はこれに限るわよね」

「期待した俺がアホだった」

「うっさいわね。夕飯はちゃんと作るわよ」