「だって、あたし達10歳も年離れてるし、それに、さっき胸が大きい人が好みだって……」

「誰もそんなこと言ってねぇだろ。お前がもうちょっと胸がでかければ好きになるかもしれねぇって言ったんだ」

「うぐぐ……で、でも期待してないんでしょ?」

「なんなら、俺が大きくしてやろうか?」

「ぎゃっ!」


彼の手があたしの未成熟なソレに触れようとする。

すかさず飛びのいてそれを回避した。だてにテニスで反射神経鍛えてないわよ!


「でも、どうしてあたし……?」

「ストーカーとかそんなんじゃねぇけど、ただ偶然階段ですれ違った時に可愛いなって思った。それだけだ」

「それだけだ……って」

「で、セツナはどうなんだよ?」


ここにきて、初めて見せるアズマさんの真剣な表情。

ずるい。この人、なんかずるい。


「き、嫌いじゃない……でも」

「でも?」

「あたし、まだまだ子供だし、アズマさんと吊り合わない」

「恋愛に年の差なんか関係ないだろ?」

「だって」

「うるせぇ。『でも』も『だって』も聞き飽きたわ」

「っ……!?」


彼と唇が重なる。

突然の出来事に頭の中が真っ白になった。