「さっきラケット背負ったし、テニス部なんだろ?」

「はい」

「テニスについては、俺はやったことがないからなんの助言も出来ない」

「え、あ、はい……」

「だが、勉強くらいなら教えてやれる」

「ほ、本当!?」

「俺を家庭教師として雇うか?」

「うん!うんうん!」

「俺は高いぞ?」

「うぐ……おいくらですか?」

「一回勉強教える度にデート一回、だ」


そう言って犬歯を覗かせる彼の笑顔はまるで悪戯っ子のようで……


「冗談ですか?」

「いや、本気」

「あ、あたしとデートなんかが報酬でいいんですか?」

「アルバイト学生にそんな高額な料金請求できねぇよ」

「でも……」

「それだけじゃ満足できないってぇなら、俺の彼女になれよ」

「かのじょ?」

「それで俺は充分だけど」

「かのじょー!?」


目を見開いて驚くあたしを見て、アズマさんが満足げに笑う。