「ま、そういうこった」


アズマさんがポカンと口を開けたまま佇むあたしの背中をぱしんと叩く。


「で、今日は泊まっていくのか?」

「え!?どういう主旨でそんな話が出てきたのかさっぱりわからないんですけど!」

「最近のセツナは表情が暗かったから、何か悩みでもあるんじゃないかと思ってね。慰めが必要だろう?」

「たた、確かに悩みはあるけど……って、どんだけあたしのこと見てたのよ!?やっぱりストーカーなんじゃないの!?」

「まあな。今日履いてるパンツの色まで知っているぞ」

「何よソレ!?嫌っ!もう近寄らないで!シッシッ!」

「冗談だ。で、鎌をかけたわけだが……悩みくらいは聞いてやってもいいぞ?」

「鎌、かけたって……!」


この人には敵わない。
ちょっと怪しいけど、人生の先輩だ。

話だけでも聞いてもらっちゃおうかなぁ……?


「じゃ、じゃあ、アズマさんの家じゃなくて、あたしの家の方でお願いします」