「ねえ、やっぱり好きなタイプ……聞いてみてもいい?」
「あん?そうだなあ。お前がもうちょっと胸がでかければ好きになるかもしれねぇな」
「ぐむっ」
だから、発展途上だっつーの!
一瞬でも変な気起こしたあたしが馬鹿だったわ!
「おまたせ~」
おじさんがトレーからカレー大盛りをあたしの目の前に置く。
カレー特有のスパイシーな香りがあたしの鼻腔をくすぐり、食欲を刺激する。
さっきまでのモヤモヤした気持ちはそれだけでもう消えてしまった。
あたしって、やっぱり単純だ。
隣では、早速チョコレートケーキにがっつく男の姿があった。
口さえ開かなければ、ただの甘党なイケメンなのに。
