学校が終わり、家に帰っている途中、
あの人がいた。
颯太先輩。
ど、どうしよう。
お兄ちゃんの友達だし。
挨拶したほうがいいよね?
「こんにちは。」
『ん?あー。…博音の妹か。』
なんか普通。あの話し聞いてないのかな?
「あの…なんか聞きました?」
『え、何を?』
「あ、聞いてないならいいんですっ!じゃあ、さよなら!」
『あー。あんたが俺の婚約者って話し?』
うっ。
やっぱ、聞いてたんだ…
「はい…」
『何?婚約者だから俺に近づきたい?ごめんだけど、そういうの興味ないわ俺。博音の妹でもね。』
…は?
何を言ってるの、この人?
「あの、何を言ってるんですか?」
『婚約者だとか言って、いい顔して近づいて来るような女は好きじゃないって言ってんの。俺、女には困ってないし。』
ブチっ!
何かが私の中で切れた
「勝手なこと言わないで下さいっ!いつ私がいい顔して近づきましたか?私は勝手に母が話を進めてるみたいでごめんなさいって言おうとしただけです!誰があなたなんかに近づこうとするんですか。私は、私の自由な恋愛をしますから!さようならっ!」
