奇跡を信じてみませんか?



「可愛い女の子はっけーん!!」

そんな声が聞こえたとほぼ同時に振り向いた私ですが、その瞬間 物凄い勢いでその人は私を壁に押し付けたのです。

「……っ、!!」

ただそれだけなのに、一瞬だけ息が止まってしまって
前の…凌くんと居たときの不良さんよりも強くてタチの悪い不良さん なんだと思いました。

「…離して下さい」

「君、八神慧の彼女?」

「彼女なら、こんなにコソコソしません」

「そうだよね。じゃあ俺が食べても良いわけだ」

食べる?
人が人を食べるなんて随分と昔の時代の発想をお持ちなんですね。

私を食べても美味しくないんですが…。

「…哀から離れろよ」

そう呟いたのは凌くんでした。

やっぱり、金髪は八神くん…。
こんな時に会うなんて最悪じゃないですか。

「哀ちゃんって言うんだ?」

「気安く哀の名前呼ぶな」

私の言いたい事を凌くんが言ってくれている…何か、新鮮な感じがします。