奇跡を信じてみませんか?



「案外綺麗だね」

絢ちゃん…案外とは失礼ですよ…。

夏希ちゃんの部屋は思ったよりもシンプルでした。

ドアを開けた奥にはベッドがあって、本棚もあって机もちゃんとあって

真ん中にはガラスのテーブルがある、そんな部屋でした。

私と絢ちゃんはテーブルの前に腰掛け、ベッドに軽く凭れるように座って

夏希ちゃんが戻ってくるのを待ちながら二人でお喋りもしました。

「お待たせ」

と、言いながらお盆にジュースの入ったコップとお菓子を置きながら戻ってきました。

後ろからは本当に小さな子猫たちも、ゆっくりと歩いてきていました。

その光景が珍しくて私は心無しか微笑んでいたと思います。