奇跡を信じてみませんか?



次の日、昨日の女の子が私の席にやってきて言いました。

「昨日はごめん。…友達になりたかっただけなんだ」

「わ、わわ…私と、ですか!?」

身を乗り出して彼女を見つめると彼女は照れ臭そうに小さく、こくりと頷きました。

「うちの事は夏希って呼んで。よろしく」

「私の事は哀で大丈夫です!!よろしくお願いしますね」

また一人、友達が出来ました。

八神くんは「良かったな」とでも言うような表情で私を見つめていてくれたみたいです。

…どこかのお父さんみたいな、そんな優しい眼差しで。

私も、安心したような笑顔を向けました。
八神くんにだけ、八神くんのために。