そんな八神くんの声を無視して私は手首に先程の濡れたハンカチを軽く押し当てて血を拭き取りました。 傷は深くはないですが…一応消毒をしといた方が身のためでしょう。 「帰ったら消毒をして、なるべく空気に触れて下さいね!!…今は絆創膏で隠しておきます」 私は自分のポケットから絆創膏を取り出して八神くんの手首へと目掛けて優しく貼りました。 「…よしっ!!これで大丈夫です!!」 にっこり笑って言った私に八神くんは少し頬を赤らめてから短く「どうも」って言ってくれたんです。