「大丈夫か」 「あ、はい!!助けてくれて、ありがとうございます。八神くんは怪我してませんか?」 「別に」 ぶっきらぼうに言ってくれましたが、八神くんの腕は少しだけ切れていたらしく赤い液体が滴っていました。 「や、八神くん!!保健室行きましょう!?」 「切り傷程度で。大丈夫だから帰る」 何事もなかったように八神くんは踵を返し、そのまま帰ろうとしました。 私は急いで近くの水道へ走り、自分のハンカチを水で濡らしてから 八神くんの元へと駆け寄りました。 「止まって下さい八神くん」 「何?」