不思議に思って、ゆっくり目を開けるとそこには私を守るようにして前に立つ八神くんの姿がありました。
彼女の腕を掴んで捻るような体勢になると彼女の手から果物ナイフが滑り、地面に甲高い音を立てながら落ちました。
「八神くん…!?」
私はビックリしたような、そんな声と共に今の状況を把握できずに居ました。
「何」
彼は相変わらず無愛想で。
「どーしてあんたがここに来るんだよ!!」
彼女は悔しそうに泣きながらそう言っていました。
「…別に?」
八神くん。
それはある意味答えになってませんよ。
「……っ、これで終わると思うなよ」
そう言って彼女は去って行きました。
女の子の恋愛と言うものは難しくて恐ろしいですね。
私は改めて実感しました。

