俺から見たら、面白くもねぇのに笑えるのが凄いと思う。

たとえ面白かったとしても必ず笑えるか何て分からねぇし。

だから無愛想になっちまうんだろうな。

「哀…」

「あ、えと、すみません。気にしないで下さい」

えへへ、と笑ったあいつの笑顔は、気を遣っていた。

誰にでも分かるようなぎこちない笑顔だっただろう。

そのあと屋上のドアが開く音が聞こえてきた。
俺たちは10分程、その階段で時間を潰してから入ったのを覚えてる。

ドアを開けた時、あいつの顔が目に入って、あいつは驚いた顔をしていた。