屋上までの階段を登ってる時に聞こえた声。
俺と連は足を止めてその声を聞いていた。
顔は見なくても大体分かる。
向こうも屋上のドアの前で止まってるからこっちも動くに動けねぇ。
盗み聞きみたいで嫌だけどな。
「中学から?」
「はい!!いじめられてる人を助けたんですが…逆にそれが仇となったらしくて
次は私がいじめられちゃいました。
助けた子も私に謝りながらいじめてました。
それでも私は中学生活、楽しかったです!!」
そう、あいつは言った。
なぜ敬語なのか、それは分からないが、あいつが常に笑ってるのは…何となく分かった。
心からの笑顔じゃなく、作った笑顔。

