奇跡を信じてみませんか?



「あ~い~!!」

「………」

「哀!?」

「……」

あいさんと言う人を呼んでるんですね。
二回も呼ばれているのに気付かないなんて相当ヤバいですよね。

聞いてないのか聞こうとしていないのか。
呼ぶ方も呼ぶ方で恥ずかしいんですから。

「無視か、花咲哀!!」

「…へっ!?」

「…へっ!?じゃないよ!!」

目の前に居るのは、五年ぶりに会う絢ちゃんでした。
高校時代の時よりも、大人びて身長も高くなっていました。

「私の事だとは思わなくて…すみません」

「哀って呼んだじゃん!?」

「愛ちゃんや藍ちゃんかと…」

「ごめ、誰それ!?」

「人です」

そんな、まさか『哀』だとは誰も思いませんよ。
それにしても自分に対して暴言を吐いたなんて
私が恥ずかしすぎますね。

「…そ、そう」

「はい」