「八神くんしか居ないんです」
「あいつもアホやな。こんな一途な女振ってんから」
あの日告白して振られた事は立花くん以外の皆も知っています。
私が教えたんです。
笑い話に出来るように、と思って話したんですが皆は黙っていました。
振られても好きだなんて、しつこいですよね。
八神くんに嫌われちゃいます…。
「卒業してからの哀か心配」
「うちも」
放課後、私のいる教室で八神くんを抜いた全員が集まっていました。
ただの雑談ですけどね。
その雑談中に夏希ちゃんと絢ちゃんが私の顔を覗き込むように見つめてきました。
こんなに心配されてるんですか、私って。
「大丈夫ですよ…?」
「…本当に?」
「はい」
「何かあったら うちらを頼れよ?」
「はい」
言われることに「はい」としか答えないのも去年からなんです。
一週間後が卒業式だと迫ってきて皆は緊張している子もいれば
今から泣いてる子もいれば、色んな子が居ました。
卒業式が近いということもあり、大体の時間は卒業式の練習や準備で授業なんて
する暇もあまり無くて、使わない教科書類は持って帰りました。
…もう、卒業しちゃうんですね、私たち。

