八神くんがフランスに行ってしまってから私の心はぽっかりと穴が空いたような感覚になっていました。 あの日、私が八神くんに告白した時 八神くんは私を抱き締めて私の耳元で 「…ごめん」 の一言だけ囁いて行ってしまったのです。 完璧に振られました。 惨敗ですね、本当に。 その日から私は何をするにしても無気力、無関心になってしまって 気付いたら高校三年生になって、もうすぐ卒業、まで 時間だけが進んでいたのです。