「慧なら この便でフランスに行った」
左には夏希ちゃんが、右には絢ちゃんが側にいてくれて
後ろからは佐々木くんの声が聞こえました。
もう、行ってしまったんですね…八神くん。
「…っ、蓮!!どうして言ってくれなかったの!?」
絢ちゃんも泣き出してしまい、佐々木くんの胸板を軽く殴りながら聞いていました。
きっと、佐々木くんも黙っててほしいと言われたんです。
私達に言ってしまえば気を遣おうとしてしまうから…親友である
佐々木くんだけに、言ったんだと思います。
それは絢ちゃんも分かってるはずです。
ただ、混乱しているだけなんです…。
「ごめんな、絢。ごめん…花咲ちゃん…ごめん…なっちゃん」
佐々木くんは ひたすら私達三人に頭を下げていました。
その顔は、今にも泣き出しそうな、そんな顔でした。

