ふわり、と。
暖かい何かが私を包んでくれました。
空港の真ん中で私は八神くんに抱き締められていたみたいです。
「―――…」
短く、それだけ告げて彼は私から身を離し
空港の奥へと進んで行ってしまいました。
「うっ…うわぁあああん……!!」
その場で座り込み泣きじゃくる私は端から見たら変な人ですよね。
「「哀!!」」
聞き覚えのある二人の声が後ろから聞こえてきました。
「夏希ちゃ…絢ちゃん…っ」
「哀?どうして泣いてるの!?慧は!?」
「哀、大丈夫か!?何があったんだよ!!」
夏希ちゃん、絢ちゃん。
私には無理だったみたいです。

