八神くん。
その優しさは違いますよ。
言って下さい。
皆にも、言ってほしかったです。
「はあ…っ、は…!!」
空港までが遠いです。
こういうときに、どうして…ですか…!!
「…っ、!!」
考えながら走っていると、何かに躓いて転んでしまい、そこで、止まってしまいました。
「八神くん…っ、八神く…!!」
泣きじゃくる私に周りを通る人は見て見ぬふりを。
…泣いても、八神くんは戻ってきません。
私が、空港に行かない限り絶対に戻ってきません。
なら、私が頑張ります…だから、もう少しだけ時間を下さい…!!
涙を拭って、私はまた走り出しました――…。

