「あの、本日はすみません。こんな豪華な料理を無料でご馳走になってしまって…」
「嗚呼、気にすることは無いさ。いつも蓮々が世話になってるからね。
どちらかと言えば、謝られるより"ありがとう"の方が嬉しいかな」
私が挨拶と謝罪をすると佐々木くんのお父さんは私の目線と同じくらいに屈んで笑ってくれました。
お礼の言葉の方が確かに言われたら嬉しいです。
…何も考えず、いつも通りで大丈夫そうですね。
「有難うございます」
深々と頭を下げると、つられたのか皆まで佐々木くんのお父さんと佐々木くんに頭を下げました。
お父さんは驚いたのか少しの間、固まっていましたが柔らかい笑顔になって「どう致しまして」と仰ってくれました。

