奇跡を信じてみませんか?



「親父、連れてきた」

甘く見てました。
普通のレストランだと思っていた私が馬鹿でした。

豪華すぎます…天井にシャンデリアなんて…いやいや、こんな豪華な所の料理をタダで食べれるなんて

嬉しいのは山々何ですが罪悪感しか湧いてこないです…。

「親父とは何だ、蓮々」

れんれん…?
えっと、佐々木くんの事ですよね?

「クソ親父め…その名前で呼ぶなし」

「蓮々。れんれーん」

「…覚えてろよ」

「ふふ…っ…」

「こら、花咲ちゃん。笑うな」

佐々木くんとお父さんのやり取りを見ていたら自然と笑みが零れてきました。

それは皆もそうで、先程の疲れを多少忘れるようなほど笑ってしまいました。

「すみません…っ」

謝りながらも笑ってしまう私に佐々木くんは照れたように そっぽを向きブツブツと何かを言っていました。