奇跡を信じてみませんか?



最寄り駅付近まで行くと、既に皆来ていて私待ちだったようです。

時計を見るも50分ほど。
来るの、早すぎませんか。

「あ、哀~!!」

私を見つけるなり笑顔で手を振る絢ちゃんに対して八神くんはムスッとした表情。

「お早うござ…「遅い」

私の挨拶を遮ったのは不機嫌な八神くんでした。
…集合10分前に着いて、遅いなんて言われたの初めてなんですけど。

皆が早かっただけですよね!?
これって私が悪いんですか!?

「慧にぃ、哀は悪くない」

…八神くんと違って凌くんは優しいです。

「凌は黙ってろ」

この、兄弟は仲が良いのか悪いのか…知らない人から見れば仲が悪そうですよね。

現に篠束くんは しどろもどろ って感じですし。

「…じゃあ、行くかー」

先陣を切って行くのは企画者の佐々木くん。
予定している場所は遊園地だそうです。

夕方まで遊んで夜はレストランで食べる、というプランを計画してくれました。

レストランは佐々木くんのお父さんが経営してるみたいで、今回は多目に見てタダで食べられると聞きました。

…佐々木くんには何かお礼をしなくては。
佐々木くんのお父さんにも挨拶をしてお礼を言わなくては。