「…おい、起きろ」
「……。」
「哀 起きろ」
「……。」
「哀」
「…ん…」
誰かに呼ばれた気がして目を覚ますと、目の前に八神くんが。
いや、何でです…あ。
そう言えば…家に来てたんですよね。
「これ食え」
差し出されたのはお粥。
シンプルに梅が乗ってある普通のお粥。
わざわざ…作ってくれたんですか。
「…有難うございます…」
「食ってから礼言えよ」
クスッと笑って私を起き上がらせてくれる八神くんに、私の体は熱のものじゃないような暑さ。
…火照ってます?
まさか、こんな時に?
「食えそうか?」
「はい…」
布団の上にお盆を乗せて、お粥をスプーンでよそって、私の口元まで運んでくれるのは嬉しいのですが
これって、所謂『あーん』って やつですよね。
恥ずかしいんですけど…。

