「分かったような顔だな」
…意地悪です。
悪魔です魔王です…。
私の頑張りは無駄だったのですね。
ピピピ―…
私の気持ちとは裏腹に体温計は甲高い音を立てて鳴りました。
「何度?」
「38度…6分…です」
「高いな。昨日 飯食って薬飲んだか?」
「どっちも…食べてなくて…飲んでません…」
「あ?」
八神くん、不良になってますよ。
顔も声も怖いですって。
そんな顔しないで下さいよ。
「食欲ねぇのは分かるが食え」
「…薬は嫌いです…」
「…ちっ。待ってろ」
舌打ちと共に八神くんは立ち上がってどこかに消えていきました。
どこに、行ったんでしょうか。
台所がうるさいような…でも、何も考えたくないです。
…少し、寝ても良いですよね…?
おやすみなさい…。

