「付き合ってないですよ?嫉妬も違うと思いますが一応戻りますね」
それだけ言い残して一人屋上の手すりに凭れ掛かっている八神くんの近くへ向かいました。
「天然鈍感ちゃんだ」
「あれは八神って男も苦労するんやろな」
篠束くんと立花くんがそんな話をしているとも知らずに。
「八神くん、目付きがいつもより怖いです」
「…誰のせいだと」
「誰のせいですか?」
「…別に誰のせいでもない」
言ってることが矛盾しすぎです。
今、誰のせいだと、なんて仰っていたのに誰のせいでもない、なんて…。
八神くんも悩み事があるのですか…?
あるならば聞かないといけませんが今は そっとしておきます。
自分から言ってくれるのを待つのみですから。

