奇跡を信じてみませんか?




「哀」

「…はい?」

「これからは俺が守ってやる」

「えっと…いきなり、どうしたんですか…?」

「哀を泣かせたくないから」

「あ、有難うございます…」

「…慧、さすが」

俺だけに聞こえるように耳打ちしてきた絢。
これって遠回しに告白してるようなもんじゃねーか。

先走ったか。
まあ、哀は天然鈍感馬鹿だから無意識に誘ってんだよ。

こっちの理性も考えてほしい。
…モテるし、ムカつく。

蓮の連れとか稀に話しかけてるし。
それに哀は楽しそうに受け答えしてやがるし。






…俺ってこんなに独占欲とかあったっけ?
こんなに嫉妬深いのか?

哀と出会ってから色々見える世界が変わった。