奇跡を信じてみませんか?



そう、蓮が言う。
よく分かってるじゃねーか。

「じゃあ…放課後話したい事があるので、この教室で残ってくれませんか? 後は放課後…で」

それだけ言うと自分の席に戻っていった。
何を話したいんだろうか。

考えても分かるはずが無いのにな。
分かるのは哀自身で、哀にしか分からない。












そこから放課後になるのは早いもので。
ほとんどの授業内容が全く入ってこないまま約束の放課後になった。

俺と哀と夏希に関しては同じクラスだからそのまま残って二人を待つ形になっていた。

「遅れてごめん!!」

「悪い悪い」

そう良いながら入ってきたのは約束していた二人で。
掃除やら何やらで遅れてしまったらしい。

俺らは別に良いと言っているのに絢は二、三回は謝っていた。

誰かさんと大違いと言うか。