笑いながら、麻紀はからかうつもりで言ったのに。
カレンはハッと目を見開き、両手で口元を覆った。
「すげえ…さすが麻紀さん。
なんでわかったすか?カレンのこと。
麻紀さんぐらいになると、なんでもお見通しなんら…」
剥き出しの華奢な肩をワナワナと震わせる。
(はあ?)
麻紀は呆気に取られた。
お前のことなんて知るかよ〜、と思うが、麻紀も実は結構、酔っていた。
つい、怖いもの見たさ、ゲテモノ趣味で「何かあったの?」と聞いてしまった。
「うん…」
物憂げに頷いたあと、カレンはぐびっとグラスのバーボンを煽り、可愛らしく
「ヒクッ」としゃっくりをひとつしたあと、伏し目がちに語り始めた……

