ふと、自分の子供の成長に想いをはせる


子供達と会うのは、半年ぶりだった。


2年前、最愛の三人の子供たち(ーーのはずだったのにーー)と別れるのは、身を切られるような辛さだった。


しかし、離れて暮らすようになったのは全くの麻紀の自業自得だった。


麻紀がパート先のスーパーで知り合った主任の桐島清志との恋に溺れてしまった結果だ。


その時、麻紀は36歳。
結婚して10年目のことだった。


夫と子供3人の5人家族。

やっと少し楽になったと思ったら、また妊娠。

次々に生まれる子供の世話に追われ、結婚以来、麻紀はずっと専業主婦をしていた。


夫の高木真和の給料は安いのに、麻紀はやりくりと言うものが苦手で下手だった。

貯金もろくに出来ず、月末になると毎日、夕飯はもやし炒めばかり作った。


真和もうんざり顏だ。



『もうちょっとマシなもん作れよ』



会社から帰宅するなり、せっかく作ったもやし炒めを前に文句を言った。


食いしん坊の麻紀だって、もやしなんか嫌だ。でも、仕方ないではないか。