HIVに捕らわれて

「どうして探したりしたの?」


サキの生の声でした。


電波を通さない声が、こんなに心地良いものだと改めて思いました。


「探さずにはいられなかったんだ」


「どうして?

私がどんな女だったかってこと、わかったんでしょ?」


穏やかなサキの声が僕の耳に心地よく伝わりました。