HIVに捕らわれて

僕らは、傾いた太陽の光を浴びながら再び歩きだしました。


通りには終業の早い人達がすでに駅へむかっていました。


「何か美味しいものでも食べましょうよ。


お金はあるの。


行くあてはないけど。


そうだ。


今からあなたの家に行っても良い?


そうしましょうよ。


あなたはいい人そうだし、デパートに行ってお総菜を買い込んでワインを飲みましょう」


アヤの横顔は夕日を浴びて黄色く光っていて、若さが弾けていました。