「...ごめん。」
晴は私に言った。
「帰ろっか...」
「...うん」
帰り道。
もう、あたりもすっかり暗くて。
いつもなら、気味が悪いと感じてしまう薄暗い道は、月明かりに照らされてなんだか輝いて見えた。
...晴の「ごめん」は、どういう意味なんだろう...?
キス...したことかな。
でもね。晴。
私、嫌じゃなかったんだ。
...おかしいよね。
私は諒が好きなのに。
斜め前を歩く晴についていくように、私は斜め後ろを歩く。
この、微妙な『キョリ』が今の私たちにはちょうどいい。
...これでいい。
