「咲(さき)。まだ泣いてるの?」 呆れたように私をみてくる、幼なじみの一人。堤 理紗(つつみ りさ)。 「本当。泣き虫だよなー…」 優しく、笑いかけてくれるのは、幼なじみの、新谷 諒(しんたに りょう)。 私たちは、4月から晴れて、私立聖陽学園(しりつせいようがくえん)の高校生となるわけなのだが、 やっぱり卒業は寂しい。