制服が中間服から冬服に変わった。
少しだけ寒く指だけが少し冷たくなる11月、今日は他校の演奏会。

学校からホールの場所まで100人以上の隊列を組んで歩いていく女子高生。
周りから見れば何事かと驚くだろう。
だけど、これが私たちの高校のスタイル。

着いたホールは既に沢山の高校生でいっぱいだった。

『第50回 東高校定期演奏会』

東高校は、吹奏楽が有名で数年前までは全国大会の常連だった。今でも個人のレベルはとても高く全体の合奏力も素晴らしい。
素敵な演奏を聴けるだろうと私の胸は期待で高鳴っていた。



席に着き演奏会始まりのブザーが鳴る。

横の舞台袖から楽器を持って
堂々とした姿で入場してくる東高の生徒。
黒いズボンに白いブレーザー、黒い蝶ネクタイ。

オーボエのチューニングB♭の音がホールに響く。そして次々にフルート、クラリネットとチューニングを始める。
そして金管低音のチューニングが終わり、ホールが静かになった。

左の舞台袖から指揮者が出てきた。
高身長、セットされたリーゼントヘアーに生徒たちと同じ格好をした鷹田先生。
鷹田先生の入場と同時に生徒たちが一斉にホールの三階席を見てち上がる。


「わ~・・・凄く格好いい。」

思わず生徒の立ち姿に声が出た。
身なり、立ち振る舞いも私たちと同じ高校生とは思えない。

「だよね~」