昔は、すっごく
仲のよかった竜樹。



キスもいっぱいした。
私の毎日は竜樹で埋まり、
竜樹の中には私でいっぱいだった。



それなのに…それなのに…
今の竜樹は…
他の子でいっぱい。
何人も何人も彼女を作って…
あんなの、竜樹じゃない。




保育園までは、当たり前だった、キス。
小学校高学年頃には、
私が泣いてるときだけになった。
中学校に入り、
まわりを気にして
全くなくなった。



部屋が一緒だから。
香水のキッツいにおいが
充満する。
私の大嫌いなにおい。




でも、たまに…
竜樹は女の子の相手に疲れる。
そんなとき、
竜樹の癖が出る。


私の髪をなで、
「今日もサラサラ…
姫璃は、くさくない。
シャンプーの匂い…好き。」
そして、ほっぺに軽くキスをする。



その行為が、
その『好き』が、
私に向けるものなら…
どれだけいいか…
誰にでもするのだろう。
私だけになら…
どれだけ幸せだろうか。



それでもきっと。
竜樹は私のこと、
妹としか見ていないだろう。