「今、俺にとっては、仕事よりも花憐なんだ。」
どうして?
あの人と結婚するんでしょ。
私のことなんて、放っておけばいいのに。
だけど、秋の顔は真剣で。
きっと、本気で休みつもり。
私は、大きく、大きく、深呼吸をしてから、
「会社に行こう?」
「だから、花憐の傍は離れないって言っただろう?」
「・・・私も行きます。だから、会社に行きましょう?」
「いいのか?」
「・・はい。準備してきますね。」
立ち上がろうとすると、私の体をギュッと抱きしめて、
「もう、絶対に嫌な思いさせないから。」
そう言う秋の言葉を鵜呑みにしている訳じゃない。
会社の中だもん。
この部屋とは違う。
いろんな人が出入り出来る所で、絶対なんてありえない。
でも、秋の仕事の邪魔だけは出来ない。
