もう少しだけ、あなたのそばに


「居なくならないように、ちゃんと抱きしめて寝たのに、花憐、居なくなったのに気づかないで寝てた。」



「あの~、秋?」



「これからは・・・これからは、起きるときは俺も起こして?」



「え?」



「どこ行くか言ってから離れて。」



今まで、外に遊びに行くときだけだったことを今日からは、家の中でもしろと?



「朝ご飯作っていただけですよ?」



「うん、それでも言ってからして。」



秋が何にそんなに不安になっているのかわからない。


私なんて、ただの遊びの女なのに・・・・・・・


私が秋にしてもらうことはたくさんあっても、私が秋にしてあげられることなんて、何もないのに。


ご飯だって、掃除だって、洗濯だって、自分のお屋敷に帰れば、プロの人たちがすべて完璧にこなしてくれるのに。



私なんて居なくても、秋は何も困らないのに・・・・・・。