もう少しだけ、あなたのそばに


どうしたのだろうと思い、キッチンから出ると、


「花憐!」


という秋の大きな声。


私の足が止まった。



すると、勢いよく開けられるリビングのドア。


そこには、少し髪を振り乱し慌てた様子で辺りを見回す秋の姿が。


そして、私を視界に捉えるとホッと息を吐いて、私のそばまで来ると強く抱きしめた。



「あ、あの・・どうしたんですか?」



「居ないから・・・」



「はい?」



「起きたら、花憐、居ないから・・・・」



「はい。」



「居なくなったと思って、焦った。」



「へ??」