恐る恐る振り返ると、窓の方を向いていた秋が今度は私の方に向いていて、その顔は怖いというか、悲しそうな顔をしているようだった。
「あの、・・・秋?」
「企画室の子と何の約束してたんだ?」
「え~と、お礼がしたいって言われて・・・・・・」
「そうか。」
重苦しい雰囲気が流れる。
秋が何かを言いかけたとき、島津さんからの内線が。
ため息を付きながら返事をすると、部屋をノックして一人の女性が入ってきた。
とても綺麗な人で秋のそばで立つ彼女は、誰がどこから見ても完璧な容姿。
秋のそばに立っても見劣りしない彼女に私の心が悲鳴を上げる。
少し秋と話をした後、私に視線を向けた彼女。
「あら、この子が噂のバイトちゃん。」
なんだか、馬鹿にされているようで悲しくなる。
それでもここは、秋の会社。
秋に恥をかかせるわけにはいかない。
私は、深々と頭を下げた。
