振り返ると、すぐに秋の姿。
「終わったか?」
「あ、はい。終わりました。」
私は慌てて、コピー機から印刷した大量の資料を持った。
「常務、すみません。月島さんに少しパソコンのソフトのことで教えていただきました。」
「パソコン?」
秋の目が少し怒っているのに、倉橋さんを見る。
すると、隣にいた彼女、桜井さんが口を開く。
「常務、すみません。私が少しわからないことがあったのですが、月島さんに教えていただいて大変助かりました。」
彼女の言葉にスーッと目線を緩めて、今度は私を見た。
「花憐、終わったのなら戻るぞ。」
「あ、はい。」
