もう少しだけ、あなたのそばに


連れてこられたのは、会社の近くのホテルのフレンチレストラン。

お昼なのでリーズナブルな値段になっているのであろうけど、それでも普通の会社員がランチに出す値段ではない。



渡されたメニューを見てその値段と豪華な内容に秋と私の生活環境の違いを痛感させられる。



「花憐、決まった?」



「あ、あの~、私、そんなにお腹空いてなくて。」



と苦笑いする私に、



「花憐は食べなさ過ぎるぞ。朝もスープだけだっただろう。」



私のことなんか興味ないんだと思っていたのに、ちゃんと見ていてくれたことに驚いた。


秋は、私に野菜たっぷりのサンドイッチを頼んでくれた。


目の前でお魚のランチを綺麗に食べる秋を見て思った。


こんなに美味しい物を毎日食べている人に私の所帯じみた家庭料理は口に合うのだろうか。



秋の所でお世話になってから、半年が経つけど、こうして、秋と外へ出掛けるのは初めてのこと。