もう少しだけ、あなたのそばに


それからも秋の所には、電話や人が引っ切り無し。

部屋に来る人は、皆、私を見てビックリしたような顔をして行く。

そんなこんなで慌しく過ぎて行く時間。

あっという間にもう少しお昼の時間。



「花憐。」



急に声をかけられ、ビックリしながらも立ち上がった。



「もうすぐ昼だ。少し早いけど、ランチに行こう。」



すでに出掛けられる格好になっている秋に私も慌ててクローゼットに行き、自分の鞄を取った。


秋の部屋の出入口とは別のドアを開けると、そこは島津さんの部屋らしく、


「昼に行ってくる。」


と秋が島津さんに声をかけ、



「いってらっしゃいませ。」



と頭を下げている島津さんの横を通り、部屋を出た。


朝も思ったけど、多分このエレベーターは、どうやら、重役専用エレベーターなんだと思う。


だって、こんなに大きな会社なのに、エレベーターには誰も乗っていないから。