もう少しだけ、あなたのそばに


遊びつかれて、カフェでお茶をしているとき、

「あれ~、梨乃ちゃんと花憐ちゃんじゃん。」

同じ大学の男の子たちだった。
苦笑いをする私たちにかまうことなく、私たちのそばまで来ると、

「何々、今日は、二人で買い物?」

普通に会話をしながら、梨乃と私の隣にそれぞれが座る。

梨乃の隣に座るのは、梨乃の元彼。

「何よ。関係ないでしょ。あっち行ってよ。」

冷たい梨乃。

「そんなに冷たくするなよ。梨乃。」

彼は今、梨乃に復縁を迫っているところ。梨乃も好きなくせになかなか素直になれないらしい。

「なあ、もう、夕飯食った?」

私の隣の男の子が言い始める。

「まだだけど。」

と答えると、

「じゃあ、一緒にどうよ?」

「お、いいね~。梨乃、何食べたい?」

一所懸命な彼に少し同情する。